こんにちは相厚エステートの添田です。
今回は「購入を検討している物件に任意売却と書かれていました。
このまま購入しても大丈夫でしょうか?」
という質問にお答えします。

任意売却って何ですか?

家探しをしていたら気になる不動産(中古戸建や中古マンション)の備考欄に「任意売却」と書かれていました。

何か問題がある不動産なのでしょうか?

任意売却とは、不動産の所有者が住宅ローンの返済が出来なくなり、やむを得ず売却している物件の事を言います。

もう少し詳しく説明すると、一般の不動産取引では売却した金額でローンを全額返済しますが、任意売却は売った金額だけではローンを全額返済できません。

そこで、債権者(融資をした銀行など)と話し合いを行い、全額返済せずに売却をする許可をもらっている販売の方法です。

最近ではコロナ禍のため、収入が減ってしまった方が急増し、任意売却の相談も増えています。

任意売却の物件を購入しても大丈夫ですか?

上記でご説明したように、問題は所有者の経済的な事情なので、不動産(戸建てやマンション)に不具合はありません。

ただし、購入するにあたり一般の不動産購入との違いを知っておく必要がありますので順に説明していきます。

任意売却と一般の不動産売買 7つの違い

  • 提示された金額が変更される場合がある
  • 購入申込をしても買えない場合がある
  • 値下げ交渉は出来ないと思った方が良い
  • 契約不適合責任がつかない
  • 建物内が散らかったまま引渡される
  • マンションの管理費や修繕積立金が滞納されている
  • 固定資産税などの税金が滞納されている

提示された金額が変更される場合がある

債権者が一人(1社)の場合はあまり心配はありませんが、複数いる場合は販売窓口になる不動産業者の調整力が問われます。

住宅ローンの返済に困っている人は複数の金融機関からお金を借りたり、固定資産税などの税金を滞納しているケースが多いです。

窓口となる不動産業者が全てを把握し返済計画を立て、売却を進めて行きますが、現状の把握に見落としがあると売買価格が上がってしまうケースもあります。

任意売却の場合、提示された価格が変更される場合がある事を覚えておいて下さい。

購入申し込みをしても買えない場合がある

任意売却には期限が決まっており、一般的には販売開始から6か月間です。

物件を見つけた時が期限ぎりぎりの場合は間に合わない可能性もあります。

間に合わなかった場合どうなるか?競売手続きへ移行してしまいます。

競売が始まると販売窓口が不動産屋から裁判所に移るので、どうしても欲しい物件でしたら入札に参加して落札するしかありません。

ただし、競売手続きが始まっても一定の期間までなら競売を取り下げることが出来るため、債権者の許可をもらって任意売却に戻すことも可能です。

値引き交渉は出来ないと思った方が良い

一般の売買では売主と価格の交渉をして、値引きをしてもらえることがあります。

任意売却の場合は、債権者との話し合いになるのですが、対応は至って事務的。

価格の相談なんて出来る雰囲気ではありません。(稀に話しやすい担当者もいます)

ただし、債権者も競売手続きをしたくないため、任意売却の期限が近付くと値引きに応じてくれる可能性もありますので、気長に待つのも良い方法かと思います。

もちろん、他のお客様が満額で申し込みを入れれば、購入出来なくなりますのでご承知置き下さい。

契約不適合責任が付かない

契約不適合責任とは

物件の引渡し後に建物の欠陥が見つかった場合、売主の責任で補修をしてもらったり、重大な欠陥の場合には代金減額請求や損害賠償請求をすることが出来ます。

この請求は売主に経済的責任が負える資力がある場合に成立する話で、任意売却は住宅ローンの返済が出来ない売主が相手なので、売買契約書から契約不適合責任の条文は削除するのが通例となっています。

任意売却に限らず、普通の売買でも「売主が個人」の場合は契約不適合責任を付けないケースは多々あります。

購入の申し込みをする前に、建物をよく見て判断してください。

建物内が散らかったまま引渡される

売主は、売らずに住み続けたいけど、仕方なく売却する人たちです。

残置物を処分する資金が無い、などの理由で散らかったまま引渡しになるケースが多いです。

その場合は買主の費用負担で処分するしかありません。

購入申し込みをする前に残置物の処分費用を確認して下さい。

マンションの管理費や修繕積立金が滞納されている

住宅ローンの返済ができないのだから当然、管理費や修繕積立金も滞納されていると考えるのが自然です。

滞納されている管理費・修繕積立金は誰が負担するのか?

基本的には売主(債務者)です。

売却した代金は全額債権者に返済されますが、返済金の中から仲介手数料や登記費用、管理費・修繕積立金は控除されるルールになっています。

そのため、買主が負担する事は基本的にはありません。

但し、滞納額が高く、不動産価値が低い任意売却では返済金から控除できないケースもありますので事前に確認してください。

固定資産税などの税金が滞納されている

管理費・修繕積立金と同様に、固定資産税・都市計画税・住民税が滞納されている可能性もあります。

税金はマンションの管理費・修繕積立金と違い、返済金からの控除は認められていません。

納税義務は最後まで売主になっています。

買主が負担する心配はありませんが、気を付けなければいけないのが「差押」です。

差押えの登記がされてしまうと、解除するまで任意売却が出来なくなりますので、引渡し当日まで注意する必要があります。

任意売却について良くある質問

内覧は出来ますか?

ほとんどの物件は内覧可能です。

内覧できない物件だった場合は購入を見送った方が良いでしょう。

住宅ローンの利用はできますか?

一般の物件と同じように住宅ローンの利用は可能です。

任意売却の物件はお買い得なんですか?

相場より安く売られるケースもありますが、そういった物件は「お買い得」ではなく「訳アリ物件」かと思われます。

具体的にはメンテナンスが行き届いていなくて、多額の補修費用がかかる等があります。

どんな訳アリなのかは物件を実際に見て判断してください。

任意売却の物件はイメージが悪いと他のサイトに書いてありますが

いくつかのサイトで任意売却はイメージが悪いと書かれていますが、そんなことはありません。

経済的事情で売却をするのはごく普通の話です。

リストラや入院・離婚等の理由で、住宅ローンの返済に困っている方は決して悪人ではありません。

まとめ

ネットで物件を探していたら、たまたま任意売却だった。

任意売却の物件は購入しない方が良いの?

というお客様の為にこの記事を書いてみました。

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