マンションか注文住宅か

こんにちは相厚エステートの添田です。

当社は人口224,972人の街(令和元年5月現在)神奈川県厚木市にありますが、隣の海老名市(133,001人)では駅周辺の再開発があり、新築マンションが公表されているものだけで6棟(合計1280戸)の分譲が行われております。

新築マンションというのは分譲業者が最初から決まっているので、分譲業者以外の不動産屋さんでは販売する事が出来ません。

しかし、1280組ものお客様が新築マンションに流れていくのを黙って見過ごすわけにはいかないので、街の不動産屋さんを代表してこの記事を書いてみました。

※中古マンションは取り扱いできます。

実際、新築マンションと注文住宅のどちらが良いの?という質問には個人の好みがあるので正解はありません。

新築マンションの良い所

  • 現在販売中の分譲マンション全てが駅徒歩10分圏内にある
  • オートロックなどの防犯施設がしっかりしている
  • 修繕積立金を払っていれば外部のメンテナンス費用が不要
  • 管理人がいるので清掃が不要
  • 宅配ボックスなどの施設が標準化している
  • 駐車場1台は無料のところが増えてきている
  • など他にも多数あります

注文住宅の良い所

  • 建物の大きさや間取りが自由に設計できる
  • 敷地面積によって駐車場が何台でも停めることができる
  • 予算に合わせて住宅メーカーを選べる
  • 30年間メンテンス不要のハウスメーカーがある
  • 省エネ住宅を選ぶと光熱費が格段に安い
  • など他にも多数あります

マンションと注文住宅の悪いところは人によって価値観が違いますのでここでは書くのをやめたいと思います。

今回はそれぞれの良い所を確認しつつ、比較しにくい費用について説明させていただきます。

新築マンションと住宅メーカーの支払いを比較してみた

条件は下記の通りです

  • 注文住宅は土地2,000万円+建築費3,000万円で計5,000万円とします。
  • 新築マンションは物件価格が5,000万円とします。
  • 諸費用は自己資金で支払い、住宅ローン借入額は共に5,000万円とします。
  • 注文住宅は某住宅メーカーのフルスペック仕様の住宅とします。
  • 青字で記載している所が比較対象です。
  • 赤字で記載している所がマンションと注文住宅の差額です。

※下記数値(b~e)は平均値です(当社調べ)

住宅メーカーとの比較 新築マンション 注文建築 差額
 住宅ローン額 5000万円 5,000万円 0
 ローン金利(35年返済・変動) 0.600% 0.600% 0
a. ローン返済額
※ボーナス払無し
132,014 132,014 0
35年間 55,445,880 55,445,880 0
b. 光熱費
(電気代・ガス代)
20,000 275 19,725
35年間 8,400,000 115,500 8,284,500
c. 修繕積立金
※戸建は自己管理
15,000 5,500 9,500
30年間 6,300,000 2,310,000 3,990,000
d. 管理費 10,000 0 10,000
30年間 4200000 0 4,200,000
e. 駐車場代
(2台分で計算)
16,000 0 16,000
30年間 6720000 0 6,720,000
f. 月々お支払い金額 193,014 137,789 55,225
g. 30年間のお支払合計額 81,065,880 57,871,380 23,194,500

 

35年間の総支払額はマンションの方が2,319万円も高いんですね。

あくまで一部の住宅メーカー(フルスペック仕様)との比較ですが、同じ物件価格で比較したときに(b)の光熱費より下の項目(青字の部分)は全てマンションの方が高くなり、30年間の総支払額を見てみると2,319万円の差が出ることになります。

光熱費はZEHがある戸建が安い

大きな差が出る一つ目の理由が光熱費、某住宅メーカーの注文住宅にはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が標準仕様で付いていますが、マンションでは一般的ではありません。最近になり、中低層のマンションへの取り組みがあるようですが、高層マンションには課題が多いようです。

※ZEHの詳細はこちらの記事をご覧ください。

マンションは修繕積立金が固定費

もう一つは修繕積立金(15,000円)です。マンションの場合、修繕積立金を支払っておけば外壁やエントランスなどの共用部分は定期的にメンテナンスをしてもらえ常にキレイな状態が維持されるというメリットはありますが、最近の住宅メーカーは外壁がメンテナンスフリーになるので内装分の補修費用(5,500円)を貯蓄に回しても9,500円も安くなります。

注文住宅(一戸建て)は管理費が不要

次は管理費ですが、マンションの管理費はこのように使われていますので、一戸建ての場合は不要な支払いです。

  • マンションには管理会社があり、管理業務の委託費になります
  • 日々掃除などをしてくれる管理人さんの人件費
  • 管理組合の運営に関する費用
  • 共用部分の水道光熱費や火災保険などの保険料
  • 軽微な損傷等の補修費

注文住宅(一戸建て)は駐車場が何台でも無料

最後は駐車場、最近のマンションは無料駐車場が1台ついているものが多いので2台目を使用する前提の比較です。駅徒歩圏にある月極駐車場の相場は1万円~2万円です。しかもほとんどは満車で空いている事はありません。

戸建なら最初に駐車スペースが確保できる敷地を選んでしまえば駐車料金は一切かかりません。

新築マンションと工務店の支払いを比較してみた

条件は下記の通りです

  • 注文住宅は土地2,000万円+建築費2,000万円で計4,000万円とします。
  • 新築マンションは物件価格が4,000万円とします。
  • 諸費用は自己資金で支払い、住宅ローン借入額は共に4,000万円とします。
  • 注文住宅は工務店の標準的な住宅とします
  • 青字で記載している所が比較対象です。赤字で記載している所がマンションと注文住宅の差額です。
工務店との比較 新築マンション 注文建築 差額
 住宅ローン額 4000万円 4000万円 0
 ローン金利(35年返済・変動) 0.600% 0.600% 0
a. ローン返済額
※ボーナス払無し
105,611 105,611 0
35年間 44,356,620 44,356,620 0
b. 光熱費
(電気代・ガス代)
20,000 20,000 0
35年間 8,400,000 8,400,000 0
c. 修繕積立金
※戸建は自己管理
15,000 15,000 0
30年間 6,300,000 6,300,000 0
d. 管理費 10,000 0 10,000
30年間 4200000 0 4,200,000
e. 駐車場代
(2台分で計算)
16,000 0 16,000
30年間 6720000 0 6,720,000
f. 月々お支払い金額 166,611 140,611 26,000
g. 30年間のお支払合計額 69,976,620 59,056,620 10,920,000

工務店と比べても新築マンションが1,092万円も高いんですね。

まとめ

注文住宅と新築マンションを同じ予算で比較したとき、新築マンションのように利便性が良い立地条件の土地を探すことは出来ませんが、総支払額の差額を土地代に上乗せすれば不可能ではありません。

新築マンションと注文住宅を予算で比較する場合は、本体価格ではなく総支払額で比較するようにしましょう。

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