都市計画道路の代替え用地・代替地の売買と税制上の特典

こんにちは、相厚エステートの添田です。

今年の1月末、某市の市長が道路拡幅工事の用地買収で何年間もビルの立ち退きすることが出来ない職員への苛立ちで「燃やしてしまえ」と暴言を吐き、担当した職員はその会話を録音したデータを選挙直前にマスコミへ公表するというニュースがありましたよね。

今回の記事は某市のニュースと同じ市民の利益のために行われている公共事業についてのお話です。

　　＜　このページの目次　＞

身近な公共事業の例として、厚木市周辺では厚木秦野道路（国道246バイパス）や第二東名高速（新東名）、さがみ縦貫道路（圏央道）と呼ばれる新しい道路が建設されております。

道路以外にも厚木市立病院や厚木警察署の建築、本厚木駅南口再開発、上下水道の整備これらの工事は国や県、地方公共団体が公共の利益や福祉のために行われるため公共事業と呼ばれています。

道路の建設などで必要となる土地の事で、事業主は土地の所有者へ用地買取や代替え用地との交換等を提案し事業を進めて行きます。各市町村で土地計画図というものを公開していますが都市計画道路の事業用地は下記の黄色の線で記載されています。

土地の所有者は事業に協力するメリットとして、一般に売却するよりも（遥かに？）高い価格で国や県、地方公共団体が買取りをしたり、代替え用地（代替地）を提供していただく事も出来るそうです。更に、不動産の売却には税金がかかりますが、免除される特典も用意されています。

一般の方は購入する事が出来ませんが、住宅の建設が出来ない宅地要件の無い市街化調整区域内の土地も建築対象地になり、事業のため立ち退きに協力した方だけが入手や住宅などの建築が出来る土地のことを代替え用地（代替地）と呼びます。

代替え用地は立地の良い場所が多く、価格も相場の50％～70％で購入する事が出来ます。更に、代替え用地を提供した方にも税金免除の特典があります。

公共事業の立ち退きに協力すると税制上の特典を受けられます。

個人が公共事業のために土地を譲渡した場合には、譲渡所得の税額計算において、その土地の譲渡に係る費用（対価保証金）について、特別控除として最高5000万円を控除することができます。この特例を受けるには、次の要件すべてに当てはまることが必要です。

この特例を受けると、売った金額より買い換えた金額の方が高いときは所得税の課税が将来に繰り延べられ、売った年については譲渡所得がなかったものとされます。

売った金額より買い換えた金額の方が低いときは、その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います。この特例を受けるには、次の要件すべてに当てはまることが必要です。

売った土地建物は固定資産であること。不動産業者などが販売目的で所有している土地建物は、固定資産ではありません。
原則として、売った資産と同じ種類の資産を買い換えること。同じ種類とは、例えば土地と土地、建物と建物のことです。このほか、一組の資産として買い換える方法や事業用の資産を買い換える方法などがあります。
原則として、土地建物の収用等のあった日から2年以内に代わりの資産を取得すること。

①と②はどちらか1つを選択していただきます。

事業用地を譲られた方の代替え用地として土地を提供する方への優遇措置は、以下の要件があります。

代替地は不動産業者が販売目的で所有する分譲地ではない事とします。
この特別控除の適用を受けるためには、事前に管轄税務署と土地の地番、面積、売買代金等について協議し、確認を得た後に、三者（事業用地提供者、代替地提供者、国土交通省）契約を行う必要があります。
この特別控除の適用を受けられる範囲は、事業用地を譲られた方の代金以内で、かつ1500万円までです。

※詳細については国税庁のホームページをご確認ください。