相続した市街化調整区域の不動産を手放す方法

「相続した不動産が市街化調整区域でどうしたらよいかわからない」「不動産屋に相談したら扱っていないと言われた」「利用しないのに固定資産税を払わないといけない」という相談をいただきます。本ブログで一緒に考えていきましょう
< このページの目次 >
売却をする(買う人を探す)
相続した住宅(空き家)の売却
相続した市街化調整区域の不動産で、住宅が建っている(建っていた)土地の場合、確認すべき点は再建築が出来るかどうかです。
再建築が出来る土地でしたら売却に大きな支障はありませんが、再建築が出来ない土地の場合は資産価値が下がる可能性があり、最悪は売却を諦めるケースも考えられます。
再建築が出来ない土地には様々な要因がありますのでチェックしてみてください
- その土地は道路に接していますか
- ライフラインは分かりますか(上水道や排水経路の確認)
- 敷地の外に建物や植栽、フェンス等は越境していませんか(境界の確認)
- 農家住宅や分家住宅ではありませんか
- 違法建築物ではありませんか
これらの判断はお手元にある資料と、役所や法務局で取得する資料をみて判断を行います
駐車場や資材置場の売却
登記に書かれている登記地目や固定資産税納付書に書かれている課税地目が「雑種地」の場合の説明です。
雑種地という言葉は聞きなれないと思いますが、具体的には駐車場や資材置場などで利用している土地のことを言います
雑種地の売却でも気を付ける点はあります
- 正式な手続きをして駐車場や資材置場で利用しているか
- 賃貸中の場合、契約内容に問題はありませんか
- 違法な建物が建っていませんか
概ね10年以上前から駐車場や資材置場で利用している土地なら安全な可能性は高いですが、必要な許可を取らずに駐車場などで利用しているケースもありますので、念のため所有者に確認することをオススメします
農地の売却
農地とは「農作物を作るために利用する土地」のことを言います
畑や田んぼ等の農地を売却するには農業委員会の許可が必要になるため簡単に手放すことは出来ません
相続の対象になる農地のなかには休耕地(農業を農業を休んでしまった農地)があります
長期間耕作されていない農地でも、自動的に売却できるようになるわけではありませんが、自治体によっては10年以上、休耕地になっていることが証明できれば非農地証明や農地転用が可能になり、売却が出来るケースもあります
- 農業委員会で農地の種類を確認する(農用地・1種・2種・3種)
- 非農地証明の申請をおこなう
- 農地以外の用途に農地転用をおこなう
貸す(借りる人を探す)
市街化調整区域の不動産を人に貸す場合にも注意が必要です
普通の住宅であれば居住用で貸しても問題はありませんが、農家住宅や分家住宅は、建築許可の条件によって利用方法に制限がある場合があるので、売却時と同じように役所に相談を行ってください
駐車場や資材置場を貸す場合は、利用目的を限定して契約をしましょう。車両置場で契約したのに産業廃棄物や残土を置かれてしまうケースがあり、近隣トラブルの原因になっています。
農地を農業をする目的で貸し出す場合も原則、農業委員会の許可が必要になります。無断で貸した場合、行政指導や原状回復命令の対象になる恐れがありますので気を付けてください
貸す場合はトラブルに注意してください
- 借主から賃料を支払ってもらえない
- 使用ルールを守ってもらえない
- 退去時に原状回復をしてもらえない
- 固定資産税は貸主が支払います
- 家賃収入の金額によっては確定申告が必要になります
契約後のトラブルを防止するために契約手続きは不動産業者などの専門家に依頼することをオススメします。
0円で譲る(引き受ける人を探す)
市街化調整区域では売ることも貸すことも出来ない土地があります
- 建物が老朽化し倒壊しそうな状態で解体費用も高額
- 土地の所在がわからない
- 土地が道路に接していない
- 土砂災害警戒区域に指定されている
- 手入れが一切行われていない荒地
所有していても固定資産税や草刈りなどの管理費がかかり、不動産ではなく負動産になっていても、人によっては利用価値があるケースがあります。
売却代金や賃料などの利益を諦めて、0円でも、処分費用を支払ってでも引き取っていただける方を探すのも一つの方法です。
ただし、契約の内容によっては引き受ける方が譲渡所得税などの課税対象になる可能性がありますので、税務署や税理士に確認してから取引を行ってください
相続土地国庫帰属制度を利用する
2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した不要な土地を、一定の条件を満たした場合に国へ引き渡せる制度です。
この制度を利用するための条件
- 土地に建物がないこと
- 土壌汚染や境界争いがないこと
- 管理や処分に過大な費用や手間がかからないこと
などの要件を満たす必要があります。申請先は土地所在地を管轄する法務局で、審査手数料のほか、承認後には土地管理費相当額として原則20万円程度の負担金を納付します。
市街化調整区域の土地でも利用できる可能性がありますが、すべての土地が対象になるわけではありません。売却が難しく、相続放棄も選択しにくい場合の選択肢の一つとして活用されています。詳しくは 「法務省 相続土地国庫帰属制度」で検索してみてください。
相続放棄をする
上記で紹介した「売る・貸す・譲る」のどれでもなく、そもそも「相続をしない」という選択肢があり、それを相続放棄と言います。
ただし、相続放棄にも複雑なルールがあるので簡単には行えません。
- 相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります
- 相続放棄後でも、その不動産を現に占有している場合は、次の管理者へ引き継ぐまで保存義務を負う場合があります
- 不動産だけでなく預貯金などすべての相続を放棄しなければなりません
- ほかの相続人に迷惑をかけてしまう可能性があります
相続放棄の手続きは司法書士または弁護士に相談をしてください
まとめ
市街化調整区域の不動産は、一般的な住宅地と比べて売却や活用が難しいケースがあります。しかし、「売れない」と思われていた土地でも、調査を行うことで売却や活用の可能性が見つかることがあります。
相続した市街化調整区域の土地や空き家でお困りの方は、一人で悩まず専門家へご相談ください。相厚エステートでは神奈川県内の市街化調整区域に関するご相談を承っております。




