こんにちは、相厚エステートの添田です。

今回のテーマは市街化調整区域の不動産売買について説明をさせていただきます。市街化調整区域の正しい知識を持っていただき、売却や購入に役立てていただければと思います。

最初に区域区分の説明です。

私たち不動産業者が取り扱う土地や建物は、都市計画によって市街化区域・市街化調整区域・非線引区域・準都市計画区域・区域外の5種類に分けられているのですが、これを区域区分といいます。

この区域区分が設定された(線引きと言います)のは昭和45年前後なのですが、この後説明する市街化調整区域の扱いに大きな影響があります。

市街化区域とは

住宅地の売買で扱う殆どの不動産は市街化区域に該当します。市街化区域は市街化を促進し、住宅や道路などを優先的に整備していきましょうという区域の事を言います。

市街化調整区域とは

名前の通り市街化を調整(抑制)し、住宅などの建築を(原則)禁止している区域の事を言います。もともと農業や漁業に従事する方のために設定された区域で、今でも農地を守るためにある区域です。

市街化区域と市街化調整区域

今回の記事は市街化調整区域がメインなので、非線引き区域、準都市計画区域、区域外の説明はまたの機会にさせていただきます。

市街化調整区域の土地は家を建てられるの?

混雑した街中よりも田舎暮らしに興味があるお客様が住宅を探していると、市街化調整区域を見つけると思います。そして、「市街化調整区域」という言葉を調べたとき最初に入ってくる情報は「建物の建築を禁止している」という言葉かと思います。

市街化調整区域を誤解している一部の不動産サイトで「市街化調整区域=建築できない土地」と断言しているところもあるので仕方がありません。

確かに建築行為を禁止(抑制)はしていますが、あくまで原則なのでいくつか例外があり、下記に該当する場合は問題なく建築が出来ます。

  1. 線引き前(昭和46年)から現在まで建物がある既存宅地
  2. 線引き前から土地の地目が宅地になっている土地
  3. 都道府県から開発許可を取得している土地
  4. 都道府県から開発許可を取得できる土地
  5. 市町村から建築許可を取得している土地
  6. 市町村からの建築許可を取得できる土地
  7. 農業従事者が自分の家を建てる場合

但し、上記を調べるのは専門的な知識や費用がかかるので不動産業者に依頼した方が安全かと思います。

上記1~7に該当しない土地に無許可で建築をした場合は法律違反となり、建築主や土地所有者が自らの責任で建築物の移転や除去をする必要があり、命令に従わない場合は懲役や罰金が科せられます。

市街化調整区域の土地は売却できるの?

上記の1~6に該当し建物が建築出来る土地は問題なく売却が可能ですのが、該当しているがどうかがわからない場合は売却を依頼する不動産業者にお願いしちゃいましょう。

ただし、7の場合は特殊なケースのため下記「分家住宅と農家住宅」のリンクをご覧ください。

市街化区域と市街化調整区域の調べ方

当社がある厚木市ではホームページで調べることが出来ます。その他の市区町村でも「都市計画図」を確認すると上記のように色分けされた地図があり、赤い線を基準に左側(白い地域)は市街化調整区域で右側(色がついてる地域)が市街化区域です。各市町村のリンク集はこちらから

市街化調整区域のメリット・デメリット

メリット

  1. 土地が広い・・市街化調整区域は敷地の大きさに決まりがあり、150平米(45.37坪)以上ないと住宅が建築出来ない原則になっています。※市区町村によって違います。
  2. 価格が安い・・市街地から離れているため比較的に安く購入する事ができます。
  3. 税金が安い・・市街化区域の場合は固定資産税と都市計画税という2つの税金を毎年納める義務がありますが、市街化調整区域では固定資産税のみなので税金がお得です。

デメリット

  1. 利便性が悪い・・市街地から離れている為、近隣に商業施設はありませんので車での移動が必要な場所が多いです。
  2. 下水道が無い・・市街化調整区域の全てではありませんが、下水道の整備がされていない所が多く合併浄化槽を設置する必要があります。
  3. 難易度が高い・・不動産業者の中でも市街化調整区域を苦手にしているところがあるため詳しい業者を選ぶ必要があります。

メリットとデメリットは人それぞれ価値観の違いがありますので、あくまで一般的な基準です。

なるほど、市街化調整区域って難しいと思っていたけどちゃんと理解すれば良い物件なんですね

市街化調整区域の中でも特殊な土地

市街化調整区域内でも売買が難しいケースは別の記事で説明をしておりますので下記リンクよりご確認ください。

まとめ

当社の所在地でもある厚木市は全体の50%が市街化調整区域になっている事もあり、市街化調整区域の取り扱いを熟知しております。市街化調整区域の売却や購入を検討中のお客様はお気軽にご相談ください。

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